コロンビアコーヒーは、酸がずっしりと重く チョコレートフレーバーの強いものから、甘くてフルーティーなものまで フレーバーの幅が非常に広いです。
地域をまたいで幅広いフレーバーが存在します。
コロンビアにとって、コーヒーは総輸出額の約1割を占める重要な農産物。
農業分野就労者の約3割がコーヒー栽培に携わり、その栽培面積位は330万haに及びます。
はじめて コーヒーの木が植えられたのは1732年ごろのこと。
その後、栽培は国全体に広がり、1927年には、コーヒーの生産から流通までを管理する「コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)」が設立されました。
この連合会は、コーヒー生産において異色の存在でした。
輸出やコーヒーの宣伝に携わる団体は他国にもありますが、FNCほど巨大で複雑な組織はほとんど存在しません。
生産者の利益を守ることを目的としたNGOで、輸出コーヒーにかかる特別税によって現在も運営されています。
コロンビアは世界でも最大級のコーヒー生産国なので、FNCの資金は潤沢で、巨大で官僚的な組織となるに至りました。
この官僚化は、現在50万人ものコーヒー生産者にとって避けられないことです。
コロンビアのコーヒー農家は、ほとんとが小規模です。
生産者はFNCに加盟し、派遣される農業アドバイザーのもと、品質にこだわったコーヒー豆を栽培しています。
FNCは、研究に基づいた苗木や肥料の提供、農薬の管理、栽培に関する講座なども行い、生産者を全面的にサポートします。
輸出される生豆の最終チェックも含め、一貫した管理を行っています。
スペシャルティーコーヒーへの取り組みも積極的で、毎年国内品評会を開催。
生産者とバイヤーのパイプライン役として大きな役割を担っています。
コロンビアコーヒー促進のため、FNCは【スプレモ】と【エキセルソ】という等級を作りました。
これらは豆のサイズのみを示していて、品質には関係がありません。
残念ながらこの等級分けではトレーサビリティーが低くなってしまいます。
この方法で市場に出る豆は、機会でふるいにかけてサイズ分けを行う前に、多くの農家から集めた豆を混ぜてしまうからです。
本質的には、ごく一般的なコーヒーなので、名前を分けて品質の保証になりません。
スペシャルティーコーヒーを扱う部門では高いトレーサビリティーを維持しようと努めているので、サイズで分けられた豆では難しいところがあります。
コロンビアのコーヒー農園を訪れて今でも心に残っている印象深い農園があります。
ロス・ノガレス農園です。
2005年にコロンビアで初めてカップオブエクセレンスが開催された時の初代チャンピオン農園となりました。
ゴー!ゴー!でもこの1位になったロス・ノガレス農園は非常にお客さまに好評でした。
2009年に、この農園を訪れる機会がありました。
農園主のリカウルテさんはカップ・オブ・エクセレンスのチャンピオンになったプレミアムのお金でお家を建てました。
険しかった道路も整備され、収穫したチェリーを処理するミルも買い換えたそうです。
現在のお家の裏にはかつてお子さん8名とご夫婦、10人が暮らしていた小さなお家がありますが、今はピッカーさんたちの休憩場所になっています。
手入れが行き届いた庭やハイビスカスの花がとてもきれいでした。
ところが大変悲しいことに2013年にオーナーのリカウルテさんが強盗に襲われ亡くなられました。
コロンビアの初代カップ・オブ・エクセレンスのチャンピオンにお会いしたオーナーがリカウルテさんがはじめてで、みんなでお宅にお邪魔させていただくことも出来ましたし、私たちに
とっては本当に大切な生産者の一人でし
↓収穫されたチェリーを攪拌する、リカウルテさん。
ロス・ノガレス農園の皆様との出会いが、コロンビアコーヒーをよりよく知るきっかけになったといってもいいと思います。
当時、奥様のスルデリーさんは農園に行くのが辛く、一時は農園を売却してしまおうとすら考えたそうです。
コーヒー農園を継続するのか売却してしまうのか、何度も家族会議が行われましたが、スルデリーさんと息子さん、娘さんが農園を継ぎ、現在コーヒーの生産に従事されています。
リカウルテさんが亡き後、スルデリーさんは高品質コーヒーの生産に今まで以上にフォーカスすることを決めました。
そして、より水の使用量が少なく、環境へ与える影響が少ない水洗処理設備を新たに導入しました。
コーヒーの生産において日々向上したいと考えるスルデリーさんは、アドバイスを受けながら根気強くコーヒー生産に取り組んでいます。
スルデリーさんはカウカ県のコーヒー農家に生まれ、お母様は毎週日曜日の朝コーヒーを焙煎し、召し上がっていたそうです。
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