フェアトレードとダイレクトトレードの違いとは?

auのCMの意識高すぎ高杉くんで、「このバナナはフェアトレード?」と聞くシーンがあります。

フェアトレードという言葉もレインフォレストアライアンスと同じくらいよく耳にする言葉です。
そのため、「品質が高い」「なんとなく美味しい」というイメージがあるかと思います。

フェアトレードに対して、ダイレクトトレードという言葉もあります。
これらの言葉の違いは、一体どこにあるのでしょうか?

1.フェアトレードとは?

コーヒー豆に限らず、バナナやカカオなど、経済途上国で作付けされている農産物のほとんどでフェアトレードは行われています。

1-1.フェアトレードのメリット

例えば、農産物は需要と供給の関係やその年の作物の良し悪しの関係で、取引価格が大きく乱高下することがあります。

もし、取引価格がものすごく下がってしまった場合は、生活ができないほどの貧困になってしまいます。

そのため、どんなに取引価格が下がってしまっても最低価格を決めて、その価格で購入するというものがフェアトレードになります。

フェアトレードのことを説明した動画です。最低価格を保証することで、生産者の生活が保護されます。

1-2.フェアトレードの問題点

フェアトレードが良いのかと言われると、問題点も多数含まれることになります。

例えば、フェアトレードの場合は、組合を作ることになります。組合制の問題は、品質の高い農産物を作ろうと思う農家さんもいれば、最低価格が保証されているから適当でも良いと考えている農家さんもいるという点がデメリットになります。そのため、美味しいとは限りません。

また、国際取引価格が最低価格よりも明らかに高い場合、フェアトレードの仕組みは、生産者にとって足枷になる場合があります。そして、生産組合の中にも搾取構造がある場合があり、末端の農家に適切な価格が提供されていない可能性があります。

豊かな生活を生産者が得るためには、フェアトレードの仕組みは保険にはなりますが、品質の良い農産物を作ろうとするモチベーション作りにはつながりません。

2.ダイレクトトレードとは?

それに対して、ダイレクトトレードとは、簡単にいってしまえば、生産者から仲介業者を通さずに直接取引を行う仕組みのことを言います。日本国内の表現を使えば、農家直送のイメージがしっくりきます。

2-1.ダイレクトトレードのメリットとは?

ダイレクトトレードのメリットは、なんと言っても品質の良いコーヒー豆を購入することができるという点です。

生産者側も品質に見合った価格を直接受け取ることができますので、メリットが大きいです。
そのため、カップオブエクセレンスのようなコーヒー豆の品評会に参加し、生産者は自身の農園のブランディングに勤しんでいます。

2-2.ダイレクトトレードのデメリットとは?

当然、ダイレクトトレードにもデメリットがあります。

農産物の生産量は、収穫後でなければ確定しません。そのため、求めている生産量に満たない可能性もあります。
また、生産者との信頼がなければ、買い取る側にも競争が起こってしまいます。
農産物の欠点でもある、品質が安定しないことがあるため、毎年変わらないコーヒー豆を買い取るのは難しいです。

そこで大事になるのが良い品質を見極めるカッピング能力になります。 このカッピングスキルが備わってないと「目利き」が出来ないので品質の良くないもの を買ってしまう恐れがあります。

また、生産者側も、収穫してみないと品質と生産量がわからない点があり、毎年変わらない価格で購入してもらえるかがわかりません。品質によっては、買い取る側にも買わないという選択肢があります。

3.コーヒー・ア・ゴー!ゴー!が生産者に会いに行く理由とは?

当店が、毎年生産地に出向く理由は、農園を直接見ること生産者との信頼を深めることの2つの目的があります。

ダイレクトトレードを行っている当店では、取引を行う生産者との関係性と生産されたコーヒー豆の品質を確認することには、とても重大な意味があります。

生産者側にも売る権利があり、品質の良いコーヒー豆を確保するためには、生産者との関係性が良いことが必須だからです。

すこしでも品質が良いコーヒーをお手軽な価格で販売するためには、こういった努力が必要だと考えています。

まとめ

フェアトレードは、生産者の最低の取引価格を保証するものであり、ダイレクトトレードは、生産者と販売者が直接取引を行う仕組みになります。

このことからもわかる通り、フェアトレードの農産物は必ずしも品質が高いわけではなく、途上国の生産者が貧困で苦しまないようにするための仕組みと言えます。ただし、フェアトレード自体が、この目的を純粋であるとは限らず、さまざまな問題を含んでいます。
消費者として貢献する方法は、消費することですが、それが生産者のためなっているかはわからない面が多いです。

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